地球の核:鉄の電気抵抗率の実験的決定(Nature)

超高圧・高温条件下で鉄の電気抵抗と熱電導率を測定する実験の結果から、地球の外核の性質について新しい解釈が得られました。地球の外核の主要成分は金属鉄で、その輸送特性(電気伝導や熱伝導)が地球の核の力学的進化と熱的進化を支配しています。わたしたちは、レーザー加熱ダイヤモンドアンビルセルを使って、地球の核の高温(最高4500 K)と高圧(メガバール)における鉄の電気抵抗率を計測する実験をおこないました。電気抵抗率が小さかったことから、地球の核の熱伝導率はこれまで考えられていたよりも高く急速に冷却したと解釈されます。このことは、地球の内核がじつは7億年よりも若いということを示唆しています。

これは東工大・太田健二講師らとの共同研究です。

地球の内核は7億歳?地球冷却の歴史の一端が明らかに—地球中心核条件下での鉄の電気伝導度測定に成功|阪大ResOU

原著論文は次のとおりです。

“Experimental determination of the electrical resistivity of iron at Earth’s core conditions” Kenji Ohta, Yasuhiro Kuwayama, Kei Hirose, Katsuya Shimizu & Yasuo Ohishi, Nature 534, 95–98 (doi:10.1038/nature17957

この論文の続きのページには他のグループによる熱伝導率を直接測定した結果も報告されていて、地球の内殻形成時期についてじつのところはいっそう謎が深まったようです。編集者コメント記事 NEWS & VIEWS で解説されています。
“Geophysics: Earth’s core problem” David Dobson, Nature 534, 45 (doi:10.1038/534045a

地球物理学:地球の内核形成は昔なのか、それとも最近なのか|Natureハイライト