先を平らに削ったダイヤモンドを二つ向かいあわせにして、下から力を加えてやります。そうすることで間に挟まれた部分に高圧力が発生します。このための装置がダイヤモンドアンビルセル(DAC)です。世の中にはいろんなデザインのDACがあります。それぞれの研究者が自分の研究にあったデザインを考えて作っています。我々は圧力を出すだけではなく、冷凍機に取り付けて冷却することを念頭にこのDACを設計しました。たとえば材料は強度はもちろん必要ですが、熱伝導が良く、非磁性の銅ベリリウム合金を使い、サイズも冷凍機に合うように作りました。

低温実験用クランプ式DAC

光学実験用ガス駆動型DAC

ガス駆動式DACは冷凍機と組み合わせて使用することで温度と圧力を同時に制御することができます。メンブレン(銀色のドーナツ状)に細いステンレス管を通してヘリウムガスを導入しそのガス圧でDACへの荷重を制御します。放射光X線を上流側からDAC中の試料に入射し、回折X線は下流側の超硬合金製アンビル台座(DAC中央に見えている灰色の部分)の円錐状の窓から取り出して検出します。

アンビルのいろいろ