研究室Home > 全元素の超伝導化

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200 GPa(約200万気圧)以上の超高圧力をカルシウムにかけると、結晶構造が変化して29 K(マイナス244°C)で超伝導になることを発見しました。本研究成果は、平成23年6月22日にアメリカ物理学会出版の「Physical Review B Rapid Communications」に掲載されました。
"Superconducting state of Ca-VII below a critical temperature of 29 K at a pressure of 216 GPa", Masafumi Sakata, Yuki Nakamoto, Katsuya Shimizu, Takahiro Matsuoka and Yasuo Ohishi, Phys. Rev. B 83, 220512(R) (2011).

概要

研究の背景
「超伝導」は低温で物質の電気抵抗がゼロになる究極の物理現象であり、新しい超伝導体の発見は学術的にも産業的にも大きなインパクトを生んできた。しかし、どのような物質が超伝導になるのか、室温で実用できる超伝導体が存在するのか明らかでない。理論的には原子番号1の水素が高圧力状態で室温超伝導体になるとされるが、実験的な検証はなされておらず、これらは100年前の「超伝導」発見以来の課題である。
研究の目標
全ての元素を超伝導化する。つまり水素をはじめ超伝導が発見されていない元素について高圧力状態を広範囲に探索する。
研究の特色
高圧力技術はこれまで発見されていない物質の性質にアクセスできる手法であり、未踏の高圧力状態をつくり出すことで超伝導体が次々に発見されてきた。この高圧力技術を使って、物質を構成する基本単位である元素を対象に、究極の物理現象である超伝導の普遍性と可能性を追求する。
将来的に期待される効果や応用分野
元素の超伝導のデータは、既にある超伝導体の性質の向上や新しい超伝導体の設計につながり、電子デバイスの開発やエネルギー問題の解決に応用される。特に室温超伝導が実現できれば究極の省エネルギー革命をもたらすと期待できる。

研究課題の視点

Only one, Number oneの研究環境

期待される研究成果の波及効果

元素の周期表

超伝導を示す元素の情報をまとめてご紹介します。ただいま工事中です。しばらくお待ちください。

超伝導転移温度の最高値

元素の周期表
H He
Li Be B C N O F Ne
Na Mg Al Si P S Cl Ar
K Ca Sc Ti V Cr Mn Fe Co Ni Cu Zn Ga Ge As Se Br Kr
Rb Sr Y Zr Nb Mo Tc Ru Rh Pd Ag Cd In Sn Sb Te I Xe
Cs Ba * Hf Ta W Re Os Ir Pt Au Hg Tl Pb Bi Po At Rn
Fr Ra ** Rf Db Sg Bh Hs Mt Ds Rg Cn Uut Uuq Uup Uuh Uus Uuo
 
* La Ce Pr Nd Pm Sm Eu Gd Tb Dy Ho Er Tm Yb Lu
** Ac Th Pa U Np Pu Am Cm Bk Cf Es Fm Md No Lr

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